Open inspection(オープンハウス)
 

いよいよ今度の土曜日は初めてのOpen inspection。Dianeから、ランチタイムを避けて午後1時半から2時15分の45分間 行いますと連絡があった。土曜日は、朝からそわそわしていた。「何人くらい見に来るかなぁ?いきなり売れちゃったりして?」なんて話しながら部屋の準備をした。きれいにベッドメイキングをして、カーテンを整えて、キッチン、バスルームを片付けて・・・。ダイニングテーブルに花を置いて、ちり、埃がないか何回も確認して。よし!大丈夫。これで準備完了。知らんぷりしてInspectionに来ちゃおうかと思ったけど、Dianeの営業の邪魔になっても困るし、やっぱりそれは我慢することにした。外に出ると、Unitのゲートの入り口にOpen inspection の看板がちゃんと置いてあって、「これ、うちのだよね。Dianeが、朝 置いたんだね。準備万端じゃん。」って話しながら、いよいよだって実感が湧いてきた。

Dianeから、Open inspectionの報告の電話が来たのは夕方だった。「Open Inspection上手くいったわよ。みんなあなたたちのUnitがすばらしいって言っていたわ。それから、バルコニーからの眺めも最高で、すてきなUnitだって言っていたわよ。」って。でも、シリアスな人はいなかったのか、オファーはなかった。すぐ売れるって思っていたから、ちょっと拍子抜けしたけど、まだ1回目だし、これから毎週やるし・・・とりあえず初めてのOpen inspectionが終わってホッとした。

   
なかなか思うようにはいかない・・・
  毎週土曜日のOpen inspectionの後、Dianeから 今日は何人 見に来た、興味のあるような人は何人くらいだったって報告がある。でも、6週間たっても、オファーがない。「なかなか売れないねぇ。こんなにいいUnitなのになんで?値段が高いのかしら。」と弱気な私に、「需要と供給だよ。家と出会うのもタイミングだからね。そのうち売れるさ。」と明るい まこ。

7週間を過ぎて、Dianeからもう少しリビングを広く見せるようにした方がいいとアドバイスがあった。見に来た人の中にもう少しリビングが広ければ、と言った人がいたらしい。「こんなに広いのに、もっと広く見せるの?」とぶつぶつ言っていたら、まこ が「仏壇を乗せてある和ダンスをメインベッドルームに持っていくか?」ってすぐ動かしてくれた。それから、敷いてあったラグを取ってダイニングテーブルを壁の方に動かしたらリビングがすごく広くなった。これならきっとDianeもハッピーだろうし、そろそろ売れるような気もしてきた。

ところが、8週間を過ぎてもまだオファーがない。「本当に売れるのかな?このまま、売れないんじゃないの?」ってだいぶ心配になってきた。とにかく売れなきゃ何もできない。待つしかないけど、焦りとあきらめみたいな気持ちが出てきた。毎週土曜日のOpen inspectionにも 疲れてきたせいだと思う。だって、せっかくの土曜日なのに、ゆっくり寝坊もできないし、時間までにきれいに片付けて出かけなきゃいけない。最初のうちは、今日こそ誰かが買ってくれるんじゃないかって すごく楽しみだったけど、何回やってもDianeからは同じような報告ばかりで、売れるどころかオファーもない。
Unitが売れたら すぐに一戸建てを買おうと思って、ハウスハンティングにも出掛けていたから、気に入った家があったりすると、「えー、どーする?買っちゃう?」 なんて言いながらも、「だめだよ!売れなきゃお金ないんだから買えないよ。」 ってことになって、結局疲れるだけ・・・。そろそろ誰でもいいから買ってくれー!って思った。Dianeは、「大丈夫よ。ここは本当に価値がある物件だから、待っていればきっとオファーがあるからね。」って言ってくれた。でも、8週間が過ぎたからDianeと相談の上、少し値段を下げることにした。本当にすぐ売れるって思っていたから、この8週間はすごく長かった。
   
来た!来た!来た!
  そして、Open inspectionを始めて13週目に、ついに念願のオファーがあった。最初は信じられなかったけど、Dianeから 「本当よ。やっと本気で買うっていう人が現れたわよ。この値段だったら あなたたちも満足だと思うけれど、どうかしら?」って言われて、思わず 「えっ!」 ってまこ と2人で顔を見合わせた。どうかしらも こうかしらもない、OK!OK!ってすぐ言いたいのを我慢して、「うーん。そうだなぁ・・・まぁ、この値段だったらいいか。」ってちょっと考えているように、OKの返事をした。そして、これでやっと・・・やっと、売れる!ってガッツポーズ。YES!

後で聞いたけど、Diane は1度あったオファーを断ったらしい。彼女としても、プライドがあるからあまり安くは売りたくなかったみたい。そういえば、「まさかこの値段じゃ売らないわよね。売っちゃだめよ。」って冗談っぽく話していたことがあった。それが、正式なオファーだったのかわからなかったから、私たちもあまり真剣に話さなかった。きっと、Dianeのおかげで今回のオファーまで待つことができたのかもしれない。ありがとう、Diane!

そして、2日後にDianeが持ってきた書類に2人でサインをして正式に売買契約が成立した。やったー!とうとう売れた!って大喜び。2005年10月10日だった。クーリングオフの5日間は少し心配だったけど、何事もなく無事に終わり、Settlementは相手の希望で8週間後の12月5日となった。これでOpen inspection も もうやらなくていいんだ、やれやれ、これでゆっくり出来るってその方が嬉しかったかな・・・。

結局、このマイホームを売るのに3ヶ月かかった。すぐには実感が湧かなかったけど、このUnitを気に入って買ってくれる人がいたんだと思ったら、だんだん嬉しくなってきた。頑張って、すごく頑張ってきれいにした甲斐があった。

   
それから・・・・
  Settlementまでの8週間、一生懸命 一戸建ても探していたけれどUnitの明け渡しまでにはとても間に合わないから、とりあえず賃貸Unitに住むことにした。これも2人でいろいろ考えて出した結論だった。Studio(ワンルームマンション)か1ベッドルームに住んで、業者に荷物のStorageを頼むか、2ベッドルームに住んで1部屋を物置にするか?一戸建てが見つかるまでの間だけど、Storage料金と家賃を考えたら2ベッドルームに住んだ方が安いみたいだし、それに万が一 Storage荷物を開けなきゃいけなくなったりしたら困るし・・・なんて話して、結局このあたりに2ベッドルームの賃貸Unitを探す事にした。

でも、この賃貸Unitを探すのがまたすごく大変だった。なるべく安い方がいいけど、荷物がたくさんあるから ある程度広さも欲しい。最初に見つけた物件は、場所も近いし2ベッドルーム、Lock up garage付き。とにかく時間がないから見に行って、まぁまぁだったらすぐ決めちゃおうと話していた。行ってみると、大勢の人が見に来ていて、競争率が高そうだった。でも早い者勝ちだと思っていたから、すぐAgentの人に、ここを借りたいと言ったらApplication Formを書くように言われて、「いやぁー、見つかってよかったよ!とにかく時間がないんだから、ほんとよかった。とりあえず一安心だね。」って話していたら、隣の人もApplication Formを書いている・・・。えっ?何で?うちらが借りるって言ったのに・・・?そしたら、最近は早い者勝ちじゃなくて、オーナーが借りたい人のApplication Formを見て 誰に貸すか決めるんだって。「えー、じゃあ、まだわかんないじゃん。選ばれなかったら どーする?」 ってまた不安になった。そしたら、まこ がAgentの人に私たちの今の状況を説明して、家賃を少し多く払っても良いからお願いしますって頼んでくれた。その後 何の連絡もなかったから、まこ が不動産屋に行って、直接 担当者に会って、もう一度私たちの状況を話してどうかよろしくお願いします、と頼んでくれたけど、また何の連絡もなく、痺れを切らしてこっちから電話したら、あっさり他の人に決まったって言われた。この事があってから、この不動産屋のイメージがすっかり悪くなった。

そして、インターネットでやっとのことで見つけた賃貸Unitは、私が仕事だったので、2人で見て ゆっくり考えてから・・・なんてのんびりしている時間がなく、まこ が1人で見に行って、決めて、契約書にサインをしてきた。「あまりきれいじゃないけど2ベッドルーム。Lock up garageが付いているし、ランドリーがすごく広いからStorageにいいよ。一応セキュリティービルディングだし、家賃も安い。もうここしかないと思ってサインしてきたよ。」 って言って、さっそく連れて行ってくれた。
「ふーん、ここ?!どの部屋?」って言いながら、中に入った。まず目に付いたのが汚いカーペット。ところどころ擦り切れていて下のコンクリートが見えていた。キッチンもバスルームも、狭いし汚い。ベッドルームのブラインドは、壊れている所があってみすぼらしい。小さなバルコニーは鳩のフンだらけ。「えー!ここに住むの?ほんとに?」って悲しくなったけど、仕方なかった。まこ に「住む所があるだけ幸せなんだから 一生懸命掃除してきれいにするから、一戸建てを見つけるまでの辛抱と思って我慢してね。」 って言われた。鍵をもらってから すぐに、まこ はカーペットクリーニングの機械を借りてきて きれいにしてくれたし、部屋の大掃除をしてくれたから前よりましになったけど・・・。

   
引越し
  そして、とうとう来た引越しの日。荷物を出して何もない広々とした部屋を見て、9年住んだこのUnitが本当に私たちのあこがれのマイホームだったってしみじみ感じた。初めて見つけた時の興奮、見るたびに好きになった明るく広い部屋、きれいなキッチン、バスルーム。何もかもが嬉しかった。シドニーでマイホームを持つことが実現した事も本当に嬉しかった。そして、今日お別れ。ちょっぴり寂しい気持ちになったけど、このUnitのおかげで一戸建てが買える!次の夢が実現するんだって思ったらそっちの方が嬉しかった。

こちらでは、不動産は10年で倍の値段になると言われています。私たちは、幸運にも このUnitを、買った値段の倍の値段で売ることが出来ました。投資としては すばらしい成績かな。これも本当にこのUnitがそれだけの価値のある物件だったからだと思います。9年間どうもありがとう!
   
  2010年1月20日/文世記
   
 
   
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